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純正律と平均律 [耳と、音と。]

なかなか続きを書くことができません。。。

A と E が完全5 (V) 度で、(純正律では) 2:3 の周波数比であると書きました。これと同じ関係は、C と G にもいえます。

で、Wikipedia の倍音のページ にならって C を基準に考えると、基準の C の2オクターブ上のC と その上のE が "長3度" の関係となり、純正律ではその周波数比は 4:5 の整数比となります。このとき E の音の 平均律 との差 は -13.7 セントもあると。(1 セントは 半音の "指数的な" 1/100) これは 完全5度の場合 (Cを基準とすると C と G の関係) の 約 +2 セント と比べるとずいぶん大きいですね。

というわけで、キーが C (ハ長調) のときの I 度の和音 (ド(C) + ミ(E) + ソ(G)) においては 純正律 と 平均律 では ”ミ" の音のずれの方が "ソ" の音のずれよりも大きいということになります。この "ミ" の音の "ズレ" は "ソ" の音のずれよりも多くの人が感じる(知覚する)ことになると思います。

で、たとえば吹奏楽の場合、少数のバルブやロータリーはあるものの基本的には純正律に基づく金管楽器の音と、比較的多数の音孔により平均律に近い音程をとる木管楽器による ”和音" を完全に "調和" させるためには、各楽器奏者による "微妙な音程調整" が必要になるということなのでした。

というわけで、本日のところは 高校吹奏楽部顧問の先生 の、こんなブログ もある、ということで紹介させていただいて、この続きの話はまた改めてということにしたいと思います。

#ちなみに自分自身は吹奏楽演奏家ではありませんで、、、ただ単に 音 あるいは 音楽 に科学的な興味を持っているというだけですのでお間違えのないようにお願いいたします。m( )m



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金管楽器 と 純正律 [耳と、音と。]

前の記事の続きというか。。。

A と E は、完全5(V)度 でこの2つの音の周波数の関係は "本来は" 2対3の関係 云々、と書きました。この "本来は" というのは 「純正律」 に基づいた場合、ということですね。

で、Wikipedia にもある通り、金管楽器はその 「管の長さ」 に固有の "基音" (ペダル・トーン) の整数倍の音である "倍音" と、それらの音から バルブまたはロータリー を使って管長を長くすることによって "下げる" ことによって各音を出すわけです。ということで、倍音関係 (または純正律) が基本なんですね。(多分)

思い返せば、自分が "トランペット" に興味を持ったそもそものきっかけは、地元の祭で使われる "信号ラッパ" と、それによって奏でられる ”曲" が好きだったことでした。ご存知のとおり "信号ラッパ" というのは こんなの で、バルブもなにもないので本当に "倍音" しか出せません。それなのに、いろんな音階が出せることがとても不思議だったのでした。(祭での演奏は ド、ミ、ソ と 上のド 下のソ (訂正) しか使わないのですが (^ ^;; ) (註: 実際の音名ではなく、「移動 ド」 で書いています)

Wikipedia の 倍音のページ では、整数倍音と平均律の音階との関係が一覧表になっていてとてもわかりやすいです。 (こちらでは基音が C ですが)

トランペットで通常使うもっとも低い音は、管の長さの固有振動数 (ペダル・トーン) の2倍の周波数の音(2倍音) をバルブを使って下げた音 なのだそうですが、いわゆる倍音だけを使って出せる音は、その2オクターブ~3オクターブ上の範囲 (第8倍音から第16倍音の間) でようやく 8音 なんですね。(半音刻みの12のうち)

ところで、ギターなどの弦楽器で "ハーモニクス" を使う場合にもこれが当てはまります。つまり、一つの弦のハーモニクスだけを使って出せる音は 解放弦の 3~4オクターブ上の範囲で 8/12 しかない。 って、3オクターブ上で 弦長の 1/8 なわけで、そんな "ハーモニクス" は簡単には出せません。ちょ~~歪ませたらわりと容易に出せますが。。。 (^ ^;

っと、いかん、もともと書こうと思っていた話までたどり着かなかった…
続きはまた改めて書きたいと思います。


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音楽と数学。 [耳と、音と。]

音楽を聴く人、演奏する人、の多くはたぶんその関係を意識していないと思いますが、演奏する人の多くは 音 の性質 における 数学的な "誤差" に無意識に "対処" しているはずです。

音階の1オクターブは、"半音" 12個で構成されています。A を起点とすると、A, B♭, B, C, C#, D, E♭, E, F, F#, G, G#, で次がオクターブ上の A というわけで。
このオクターブを "指数的に" 12等分 したものを "平均律" と言います。 A = 440 Hz とすると、各音は一つ前の音の周波数 × 2 ^ (1/12) で、以下のようになります。(ここで ^ は指数演算(べき乗)を表します)

A = 440 Hz
B♭ = 466.16 Hz
B = 493.88 Hz
C = 523.25 Hz
C# = 554.37 Hz
D = 587.33 Hz
E♭ = 622.25 Hz
E = 659.26 Hz
F = 698.46 Hz
F# = 739.99 Hz
G = 783.99 Hz
G# = 830.61 Hz
A = 880 Hz

一方で、A と E は、完全5(V)度 の関係とされ、その場合、A と E の音の周波数の関係は本来は 2 対 3 の関係、つまりE の周波数は A の 1.5 倍 となります。440 Hz の 1.5 倍は 660 Hz ですが、上記 (平均律) では E の音の周波数は 659.26 Hz となっており、そこには 0.11 % の "差" があります。(このような誤差を 半音の "指数的な" 1/100 を基準にして ~セントの差、と表しますが、それによると 約 2 セントの差になります)

単音で聴き比べた場合に 2 セント(半音の "指数的な" 1/50)の音程の違いを聴きわけられる人がどのくらいの割合かはわかりませんが、A (440 Hz) と E (659.26 Hz) を和音として鳴らした場合、少し違和感を感じる人はそれなりにいると思います。とくに、歪ませて(=倍音が強調される)かつサスティーンが長い(あるいはフィードバックのかかった) ギターによる和音の場合(つまりハードロック、ヘヴィ・メタルの場合) にはその違和感は非常に大きなものになります。というか、実際に "うなり” ((倍音の)周波数のズレの大きさに応じた音の強弱) が生じてしまうのです。。。

いろいろなキー(調) で演奏する前提の ピアノなどの鍵盤楽器は、一般的には 「平均律」 で調律されるのですが、特定のキーの曲を演奏するコンサートでは完全な「平均律」の調律ではないようですが、よくわかりません。m( )m

一方で、"歪ませたギター" の世界では当然のようにこれを意識したチューニングがされるのです。(いわゆる電子チューナーで各弦の音を平均律の E, A, D, G, B, E と合わせるのでは気持ちよくないのです!)
有名なところでは EVH (エディ・ヴァン・ヘイレン) チューニング。これは以前書いた "半音下げ" チューニングのことではなくて、解放弦を使った E (実際は E ♭) や A (実際は G#) のコードや ”ハーモニクス" がキレイに鳴る(調和する) ようにしたチューニングです。(Van Halen の曲が特定のキーばかりなのには理由があるのです [わーい(嬉しい顔)]) なので、コードを弾く以外の場面では(コードによってはそれを弾く場合も) 一つ一つの音に対して、"軽くチョーキングする" とかの対処が必要になるわけです。特に ツイン・ギターのハモリとか管楽器と合わせるとかの場合には。。。

自分は大学時代に "音響学" を学んでそんなことを知ったのですが、最近 プロ・ミュージシャン として活躍している友人と話したときに 「えー、そうなんだ、知らなかった!」 と驚かれたので書いておこうかと思いました。(彼は、体感的に上記に "完璧に" 対処しているのですが、なんでそうなのかを考えたこともなかった、、、と。まぁ、当たり前だと思いますけれども。)

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ハモリ好き。 [耳と、音と。]

「完コピ」 の話とは別に、最近見聞きした事例がありまして。

先日、学生時代の後輩がメイン・ヴォーカルを務めているバンドのライブに行きました。まぁ、本番ではしっかり唄っていたのですが。。。

後で話を聞いたところ、練習中には頻繁に いつの間にか主旋律 ではなく ハモリ・パートを唄ってしまいコーラス担当にしょっちゅう指摘をされていたそうです。「それ、私のパート!」って(笑)

う~ん、これはしょうがないよね、そういう風に生まれついてしまったのだから (^o^;)
自分もそうでした。チャゲアスになりきっていた頃、チャゲがメインで主旋律を唄う曲でも気が付くといつの間にか飛鳥のパートになってしまって怒られたりしていましたよ。。。

で、この特性がどこから来るのかについてはいまだに解明できていません。って、永久にできないかもしれませんけれど。

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「完コピ」と「物真似」 [耳と、音と。]

「完コピ」の是非。 について以前書きました。すぐに続きを書こうと思っていたのですが、すでに2か月以上がたってしまいました。(「ヒックとドラゴン2」ブームのせいです… というのは嘘です、ごめんなさい。)

とりあえず、ごく最近これに関連して思ったことがあったので書いておこうと思います。
前回の記事は、「コピーをしないこと」 の問題を指摘したつもりでした。(主に昔のアマチュア音楽家が楽器を習う過程において) 同時に、過去に 「コピーはよくない」 という考え方にも遭遇したことも書きました。
当たり前のことですが、「コピーをする(できる)」 ことは重要だと思いますが、「コピーしかできない」ようになってしまってはいけません。あくまでも 「その楽器の演奏を極める」 ための手段として「コピー」をするのであって、「完コピ」することが目的ではないのですから。

で、ですね、、、楽器の場合はよいのですが、「ヴォーカル」 の場合はどうなんでしょう? と思ってしまったのです。(以前の記事を書くきっかけになったのはヴォイストレーナーの方のブログなんですけれど…)
実は、身近なヴォーカリストで他人の歌真似がうまくて、逆にそれがうまいせいでだんだんそこから抜け出せなくなってしまった人たちが何人かいるもので、、、 歌の場合、テレビでも「物真似」番組があることからもわかるようにとりあえず誰にでも 「ウケる」 じゃないですか、そっくりに唄えると。(楽器の場合、いくらうまく「コピー」しても一部マニアックな特定のオーディエンス以外にはウケないのに対して) それで勘違いをして、特定の歌い手の「コピー」 を続けた結果、たとえその歌い手の持ち歌以外を唄ってもその人の「コピー(というか物真似)」 になってしまうという、はっきり言って悲劇があるのです。

いえ、多分ね? ギターとかの楽器の場合でも同じなんだと思うのですよ。あまりにも特定のギタリストの「コピー」ばかりをしていると 「何を弾いても誰々風」 ってなことになってしまうとは思うのです。 でもネ、ヴォーカルの場合と比較すると、そこまで 「特定の一人」 にのめり込むことは無いような気がするのです、一時的にはあったとしても。。。なぜだか説明できませんけど。

といいながら、思いつく理由としては、歌は誰でも唄えて(カラオケとかあるし)楽器をやらない万人からの反応が返ってくるため勘違いしやすいのに対して、楽器の場合はその楽器(およびその音楽分野)に興味がありかつそれなりに聴く耳を持っている人だけが反応するので勘違い(聴衆ウケする快感による) をしにくいということがあるのかなぁ、と思います。

ともあれ、私は 「完コピ」 推奨派です! 「完コピ」もできないでその先はない、という意味において。(以前の記事に書いた通り周囲には「否定派」 らしき人々もいましたが、その多くは「コピー」で終わることを否定しているだけで「完コピ」することそのものを否定していたわけではないと、今では思います)

でも、特に 「歌い手」 の皆さん、「物真似」 で終わらないように気を付けましょう!!
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